ホビージャパンオリジナルツールブランド「HJモデラーズ」の商品第1弾は、第8回改にて紹介させていただきましたラッカー系塗料セット「HJモデラーズカラー01」通称「セイラマスオ専用カラーセット」と、このエナメル系塗料セット「HJ」通称「リアルロボット専用カラーエナメルセット」が同時展開となりました。
エナメルカラーは伸びがよい特性を持ち筆ムラになりにくいことから、筆塗りやスミ入れに適している塗料。とくにガイアノーツ様より発売されている「ガイアエナメルカラー」は乾燥時間が速いのもの大きな特徴となっており、基本色に加えて蛍光色、汚れ表現用のウォッシングカラーが展開されています。
第8回改で解説させていただいたラッカー系塗料セット「セイラマスオ専用カラーセット」とほぼ同時期に考えたのが「エナメル系カラーで特別なものができないだろうか?」ということでした。ラッカー系塗料は各メーカー様より多種多様な特殊カラーや限定カラーが数多く発売されていますが、エナメル系塗料においては特殊カラーや限定カラーはあまり商品展開されていないことが調べて分かってきました。幸いというかモデラー気質というか、前職で「こんなのがあったらなー」と思うアイデアがいくつか思い当たるものがあり、ガイアノーツの担当様(皆さんご存知のあのマスクマンです)にお伺いしたところ協力をご快諾いただき、今回の商品化へと結実することとなったわけです。
「リアルロボット専用エナメルカラーセット」はJUNIIIさん、セイラマスオさん、鈴木政貴さん、田仲正樹さん、渡辺圭介さんといったベテランモデラー各位の協力を得て開発されています。とくにJUNIIIさんはこのセットにおいてコーディネーター的役割を担っていただいており、この方なくして今回のセットは完成しなかったといっても過言ではありません。「1色「これは!」と思わせる色が必要」という観点から、最近のトレンドである白く塗装した部分に施すパープル系のグレーはどうだろう? と考えました。そこで協力いただいているモデラー諸氏が実際に使用しているのを比較検討すると…大体同じでした(笑顔)。この色ならば皆に喜んでもらえる…なにより作った本人達が一番欲しい(楽できる)塗料となりました。より満足できる色調データを取るために試作も他色の2倍作成し、モデラー諸氏の意見を踏まえて製品版の色合いに落ち着いています。
こうして抽出した色合いをチップとしてガイアノーツ様に託し、数ヵ月の調色を経て画像の試作が完成したわけです。
本商品はトリコロール配色のリアル系ロボのスミ入れに最適な色合いとしていますが、それ単体でもエナメル塗料として活躍の場が多そうな色調を用意致しました。グリーン系やブラウン系も候補に挙がっておりましたが、これはまた今後の機会に…ということで保留。
なお、商品の特徴として「希釈することでスミ入れに最適な色合いを実現」とさせていただいておりますが、これに対して「希釈した状態でなぜ発売しないのか?」というご意見もあることと思います。これについては協力いただいたプロモデラー諸氏からもご意見いただきましたが、その好みの希釈濃度比率はそれぞれ異なっており(先にも述べたように同じパープルグレーでもそれぞれ色調が少し異なったように)、ニュートラルな希釈率を算出し難い(また希釈した状態だと、ビンひとつあたりの充填量に対する顔料の比率が下がってしまう)ため。とはいえ、手軽にサッとスミ入れできる希釈済みのエナメル塗料はそれはそれで活躍の場が多いことと思いますので、できれば商品化したいなー…と(開発担当のレベルでは)考えています。
次に価格につきまして。ガイアノーツの担当様(マスクマン)からお聞きして私もはじめて意識したのですが、じつはエナメル塗料はラッカー系塗料に対して原料が高価なものでして、単純比でいうと平均1.5倍の価格になってしまいます。さらにHJモデラーズカラーはじつに混色の度合いが高いため、その混色比率だけで考えてしまうとさらに高額になってしまうのです。とはいえそこはさすがガイアノーツ様、ありとあらゆるテクニックを駆使し(当社は完成見本までを自前で用意するという限界までの企業努力)によって、なんとか税抜き1800円に納めることが可能となりました。
「でも1本450円の計算だよね?」と考えられた方! ここが重要です!!
本セットの1本の容量は15ml。通常は10ml。
なんと1.5倍の容量となっているのであります!!!
価格相対比で考えれば、むしろかなり割安となっているのがご理解いただけると思います。
なにより「通常の1.5倍」と書くと、えらい強そうな感じがしますね!!
ぜひお手にとって貴兄のホビーライフにご活用いただければ幸いです。
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